特集 SPECIAL FEATURE

「仏花・墓花」特集

 仏事につきものの仏花。仏花・墓花はいつ、どのように、そしてどのようなお花で利用されるのかについて解説します。

仏花・墓花とは

 仏壇やお墓に供えする花のことを仏花(ぶっか)、墓花(はかばな)といいます。仏花と墓花をお花屋さんによっては分けて販売されているお店もありますが、「仏様へのお供えのお花」という点においては変わりはありません。ですので「仏花」という総称の中に「墓花」があるとご理解いただければと思います。
 一般論ですが、ご自宅やお寺などにある仏壇に飾るお花を「仏花」、お墓参りの際にお墓に飾るお花を「墓花」として識別しています。正花園においても仏花・墓花の定義はこのように識別しています。

仏花・墓花のイメージ

仏花・墓花はいつどのように飾られる?

仏花(仏壇)の場合

 本来であれば、ご自宅に仏壇がある場合、お花が枯れるタイミングで頻繁にお花の取り換えをすることが好まれます。仏壇のお花はお浄土を表現し、命のあるお花生命を表現するものとして仏の世界でも生命の象徴とされています。普段からお花の取り換えを頻繁にするようにし、造花などの「飾り」ではなく命の象徴を飾るのが良いとされます。

 ただ、毎回お花が枯れるごとに購入するのは金銭的にも体力的にも大変ですので、ご先祖様の月命日に合わせて取り換えられたり、毎月月初めと15日あたりに交換するという方が多くいらっしゃいます。特に毎月月初めに新しいお花でお参りする方は多く、正花園でも月初めや月末になると仏花のご注文を多く承ります。

 月に2回の交換ということもあり、できるだけ日持ちするお花が好まれます。菊やカーネーションという花は花が散りにくく、また色褪せが少ないことから仏花としてよく利用されるお花です。

仏花交換の目安

仏花の飾り方

 仏壇には左右で一対になる位置に花瓶がついていますので、同じ花束をふたつ用意して飾ります。
もし花瓶が1つしかない場合は、向かって左にお花を、真ん中にお香を、右にロウソクを飾ります。(これを三具足(みつぐそく)と呼びます)。
また、花瓶が三本脚の場合は一本を正面に、絵柄のものは一番きれいな面を正面にしてください。

三具足(みつぐそく)イメージ

墓花の場合

 仏壇に飾るお花と同じようにお花が枯れるタイミングで頻繁にお花の取り換えをすることが好まれますが、ご自宅とは離れた場所にお墓があることが一般的であり、仏壇のお花のように毎回取り換えをするという方は少数派です。ただ、地域によってはお墓のお花を絶やさないようにする風習が根強い地域などもあります。代表的な地域として鹿児島県がありますが、「先祖を大切に敬う気持ちが極めて強い」ということもありますが、墓地の中で「自分達のお墓の花だけが枯れているようなことは,最大の恥」であると思われる方も多い地域とのことです。

墓花イメージ

 やはり仏壇同様、月初にお墓参りをされるお客様が多く、故人の月命日などにお墓に飾るためにご購入されるお客様も多く見受けられます。

墓花の飾り方

 お墓に花をお供えする場合はお花を左右対称に1つずつ(合計2束)になるように飾ります。お墓の前には墓花を供えるための花立てが左右に1つずつ用意されていますのでそこに新しいお水と一緒に飾ってお参りします。

仏花・墓花のマナーやルールについて

仏花について実は厳密なマナーやルールはありません

 仏事事なので厳格な掟やマナーが存在すると思いがちですが、仏壇やお墓に備える仏花、墓花の厳密なルールはありません。最近は洋風仏花と呼ばれるスプレーマムを中心にカーネーションや季節の花などを入れた仏花もよく目にするようになりました。マナーやルールはありませんが、故人やご先祖様を偲ぶお花としておすすめのお花がないわけではありません。ここでは仏花・墓花としておすすめのお花や色について解説します。

よく使われる仏花の花の種類

 仏花でよく使用されるお花は菊類(大菊、小菊、スプレーマム、ディスパッドマム、ピンポンマム)やカーネーション(スプレーカーネーション、なでしこ類)です。また、季節に応じてスナップ(金魚草)、リンドウ、リアトリス、ストック、グラジオラス、アイリスというなどが使われます。けいとうやソリダゴ、鉄砲ユリやスカシユリなど香の少ないユリなども使用されます。基本的に花は花が散りにくく、また色褪せが少ないものを仏花のお花として使用することが多いのが特徴です。

仏花に使われる花
仏花に使われる花(アイリスやストック、りんどうなど季節によってはない花もある)

よく使われる仏花の色

 色の指定は特にありません。菊の花やカーネーションを使うことから白、赤、黄の組み合わせでお作りすることが多いです。また、青色や紫色もよく用いられます。

 ただし、お通夜やお葬式、初七日などは白を基調としたお花で仏花をお作りするようにしています。白い菊の花だけで作る場合もありますし、カーネーションのグリーンなどを混ぜてお作りすることもあります。四十九日まではできるだけ色を抑えてお作りすることが一般的です。

仏花によく使われる色
一般的な仏花は上記4色を使うことが多い

よく使われる仏花の本数

 よく「奇数が良い」とか「偶数はダメ」というお声をお聞きしますが、お寺のご僧侶様などにお尋ねしたところ、本数による制限はないとのことでした。仏壇の花を作る際に小さな枝などでバランスをとることもありますし、本数によって仏花の良し悪しが決まることはありません。
 デザインやバランスのことを考えると奇数本数である方が全体のデザイン(特にバランス)が取りやすいとされますが4本でお作りした仏花であってもきちんとバランスはとれます。

 「仏事、神事なので制約も多い」と構えてしまいがちですが、本数を気にする必要はありません。

仏花に適さないお花

 絶対に仏壇に飾ってはいけないお花というものは存在しませんが、知識として「このお花は仏花としてはあまり適していない」ということを知っているだけで選ぶ気持ちにもゆとりが出ます。仏花をお買い求めの際にご参考になさってください。

棘(トゲ)のある花

 バラやあざみ、ボケなど。殺生や怪我を連想させるためです。ですが、バラなどは最近は洋風のお供え花として仏壇ではない写真周りなどに飾られたりもします。使用するときにはしっかりと棘の処理をしてもらうようにします。

香りが強い花

 ユリやバラなど香りの強いお花はお参りの際にお花の香りが目立ってしまうからという理由で適さないとされています。ですが、香りを抑えたユリやバラもありますし、お花の香りはお線香ほどではありません。

食べられるお花

 アワや麦、稲やオクラ、アスパラなど人が口にするものを仏花には選ばないようにします。基本的にお花屋さんで仏花を制作してもらう場合はほぼこのようなお花を入れることはありません。

花言葉や名称の語呂の悪い花・花の性質上よくない事を連想する花

 死人花(彼岸花)など「死」を連想するお花は避けます。春の花鉢にあるサイネリアなども、シネラリアと呼ばれ「死」を連想させます。また花首から折れてしまう椿(ツバキ)なども避けた方が無難です。

一日花(一日でしおれてしまうお花)

 むくげなど「一日花」と呼ばれる花があります。一日でお花が枯れてしまうので「無常」を連想させるということで避けた方が無難です。

仏花を注文する際に気にしておきたいこと

仏壇の大きさに合った仏花を選ぶ

 仏壇にはそれぞれ大きさがあります。仏壇の大きさの単位で「代」「尺」「号」と言った独自の単位が使われることがあります。仏壇の大きさによってお供えできるお花のサイズが異なってくるため仏壇の大きさをお花屋さんに伝えるか、お客様がベストと思われるお花の高さをお花屋さんに伝えるようにするのがおすすめです。

16号 49cm 32cm
18号 55cm 42cm
20号 63cm 48cm
22号 72cm 53cn
25号 78cm 58cm
28号 86cm 72cm
上置仏壇の寸法目安
40尺 122cm 62cm
45尺 137cm 62cm
50尺 152cm 73cm
53尺 161cm 75cm
55尺 166cm 78cm
57尺 171cm 83cm
大型 175cm 91cm
大型 180cm 115cm
台付仏壇の寸法目安
30台 130cm 66㎝
50台 150cm 75cm
70台 165cm 80cm
100台 172cm 85cm
150台 175cm 97cm
200台 180cm 120cm
金仏壇(前開き)の寸法目安

 正花園のある石川県金沢市は金沢仏壇で有名な地域です。加賀百万石の華やかさと金箔をあしらった見事な仏壇です。金沢仏壇では単位「台」を用いる場合が多いようです。参考までにですが、この「台」という単位はご本尊(仏壇の真ん中の仏様の絵)の大きさを表すもので、ご本尊をいれる仏壇の大きさの単位になったといわれています。

仏花を飾るのに相応しくない場所

 仏花と呼ばれるものをお手洗いや神棚には飾らない方が無難です。神棚は神様という他に敬う対象がいますので、仏花ではなく榊を飾るようにします。お手洗いには仏花ではなく、純粋に別のお花を飾ることは吉とされています。お手洗いは風水的にも金運強化のスポット。清潔に保って、綺麗なお花を飾っておきたいものです。

お正月・お盆・法事・報恩講には特別な仏花を

 お正月やお盆、法事や報恩講の際には普段の仏花・墓花とは別に季節性のあるものや少し豪華な仏花を飾るようにします。お正月には松入りの仏花を飾ることをお勧めしますし、お盆はご先祖様が戻ってこられる大切な行事ですのでご先祖様を迎え入れるにふさわしい普段以上の仏花を飾るようすることをお勧めします。

 法事などの僧侶様がご自宅まで来てお勤めをされるときなども、いつもよりも少しだけ立派な仏花を飾ってみてください。また仏教のお祭り的存在である報恩講に際しても報恩講花を飾ります。報恩講花については石川県の地域では伝統的な報恩講花を飾る風習があります。

報恩講仏花(リンク画像)
トップページリンク(お悔やみのお花特集)

仏花・墓花に関するお問い合わせ、ご注文方法

 仏花・墓花について正花園本店にお問合せすることができます。どうぞお気軽にお問い合わせください。仏花・墓花の配達、宅配は行っておりませんが数がまとまる場合やご法事用のアレンジメントと合わせての配達、宅配についてはお受けできる場合もございます。

仏花3本イメージ
仏花3本イメージ
仏花5本イメージ
仏花5本イメージ
仏花9本イメージ
仏花9本イメージ
洋風仏花(白)イメージ
洋風仏花(ホワイト)イメージ
洋風仏花(ピンク)イメージ
洋風仏花(ピンク)イメージ
洋風仏花(黄色)イメージ
洋風仏花(イエロー)イメージ

お供えのアレンジメント-オンラインショップで購入が可能です

正花園オンラインショップではお供えアレンジメントの購入が可能です。ご法事など仏花・墓花にプラスして仏壇やお墓参りのお花として人気があります。

オンラインショップリンク(お供え)

あなたにおすすめの記事

「報恩講」のお花特集

年に一度の報恩謝徳法要のお花。仏花の一種ですが、仏教のお祭り的存在の報恩講では、いつもとは異なった松やヒバなどの入った特別なものを用意することが多いようです。正花園では報恩講花の制作を承っております。

お悔やみのお花特集

 お亡くなりになってから、ご遺族様はご遺体の安置に始まり、納棺、通夜、葬儀、火葬、納骨、法事などの様々な行事をとり行わねばなりません。ご遺族様にとっては大切な方を亡くされ、お辛い気持ちの中でこのような多くの行事をこなしています。ご遺族様のご負担にならない花贈りの流れについてご説明いたします。

お盆・初盆に贈るフラワーギフト特集

 お盆の時期になると、家族で帰省しお墓参りや一家団らんの時間を楽しまれる方が多くなります。お盆はご先祖様の霊が私たちの世界に戻ってくるとされており、この時期にご先祖様が好きだった花やお供えに適したお花を飾りご先祖様をお迎えします。ご先祖様への感謝を伝え、ご先祖様と共に家族団らんの時間を過ごします。

花キューピットで贈る花特集

 正花園は花キューピット加盟店です。全国にある花キューピット加盟店と連携し、お客様のご依頼のお花を全国にお届けすることが可能です。花キューピットで贈る花、どんな時にどのように利用するのがおすすめなのか?費用や時間など花キューピットを利用するメリットなども解説します。

イーフローラで贈る花特集

 正花園はイーフローラ加盟店です。全国にあるイーフローラ加盟店と連携し、お客様のご依頼のお花を全国にお届けすることが可能です。イーフローラで贈る花、どんな時にどのように利用するのがおすすめなのか?費用や時間などイーフローラを利用するメリットや花キューピットとの比較なども解説します。

正花園プレミアム胡蝶蘭

 胡蝶蘭は開店祝い・事務所開き・改装祝いや新築祝い・社長就任のお祝い、コンサートや個展、展覧会と様々な用途で会場を華やかに彩ります。正花園では産地にこだわった日本最高品質の胡蝶蘭を厳選し、仕入を行っております。商品の見極めが難しい胡蝶蘭。花つき、株、花径などをしっかりと見極め良質なものだけを提供できる正花園にご用命ください。